原因

平山病の病態は、首の前屈時に後部硬膜が異常に前方に移動することにより、頸の神経が慢性的虚血により障害されることが示されてきた。

この硬膜が異常に前方に移動する原因に関してははっきりしていないが、様々な仮説が提唱されている。最も一般的な仮説は、思春期における脊柱と脊髄・硬膜の不一致的成長である。身長の伸び(首の骨の伸び)に硬膜の成長が追いつかず、硬膜の移動に異常が起きるという仮説である。そのため、身長の伸びが停止し、硬膜の成長が骨の成長に追いつくことで症状が進行しなくなるという仮説である。

しかし、平山病患者に前例で前方移動が見られる訳ではないことや健常者でも同様の初見が見られることから、この仮説のみでは説明が付かないことも多い。また、日本人を始めアジア人に特異的に多いこともこの仮説のみでは説明が難しい。

そこで、近年では平山病にアレルギー機序が関与しているという説も提唱されている。平山病患者に行ったアレルギー研究では、平山病患者では健常者に比べてアレルギー性鼻炎、花粉症、気管支喘息など気道アレルギーの合併が多いことが分かっている。

この報告から、平山病に免疫異常が関係することが考えられている。

 

参考文献:平山病の病態機序に関する新しい仮説—免疫異常に由来する頚部後部硬膜の椎弓への固定不全による 福武 敏夫  亀田メディカルセンター脳神経内科 BRAIN and NERVE 72巻12号 (2020年12月)